「なりきる」ってなに?
一人多役演じる
大きなジェスチャー、しっかりとした発声、そして変化する声のトーン。英語は感情表現が豊かな言語。多くの人は英語に対してこのような印象を持っているようです。これは、英語で過去の出来事について話すとき、多くの人が一人二役あるいは一人多役演じているからかもしれません。「日本語は主語を省略する」ことからもわかるように、日本語は客観的に物事を表現する傾向にあります。しかし、英語では物事を主観的に表現することで、さまざまな感情表現を可能にします。この英語的な表現方法。言いたい日本語の文を簡素化するだけにはとどまりません。まるで映画を観ているような臨場感でさえ聞き手に与えることができるのです。
なりきる1
あなたならどう訳す?

「その人、大声で助け呼んでてさ」

Step 1まずは「みつける」です。

この文で主語になりそうなのは「その人」だけのような気がします。それでは、「その人」を主語に設定してみましょう。

  • 誰が = その人 ⇨ そのひと ⇨ そノひト ⇨ ソノヒト!?

Step 2問題発生です。

「その人」という単語を知らなければ先に進めません。

ここでポイントです。日本語では、「その人」のように遠回しに他人を呼ぶ傾向がありますが、英語では「彼」や「彼女」、あるいはその人の「名前(特にファーストネーム)」を用いる場合が多いのです。それでは仕切り直しです。

  • 誰が = 彼 または 彼女 ⇨ それでは「彼」または「彼女」を英語で?

正解

he または she

今回は「he」を使ってみたいと思います。

Step 3もう一度、「誰がどうする」に当てはめてみます。

  • 誰が = he
  • どうする = 助けを呼んでる ⇨ 助けを呼ぶ ⇨ たすけをよぶ ⇨ タスケヲヨブ!?

Step 4またまた問題発生。

「助けを呼ぶ」が分かりません。でも大丈夫。ここで「なりきる」の登場です。

  • 主語 + was/were + like …
  • …という感じだった  
  • …みたいだった
  • …と言っていた

「主語 + was/were + like …」は、過去時制において主語の様子を説明するときに非常に便利な表現です。また、この表現を最初に言うことで、話者が「これからその人になりますよ」という合図になるので、実際に話者がその人になって話をすることができるのです。

Step 5「主語 + was/were + like …」に当てはめます。

実際に「その人、大声で助け呼んでてさ」を「主語 + was/were + like …」に当てはめてみましょう。主語はすでに決定しているので、主語に合うBe動詞を選びます。

そう、主語「he」は単数なので、Be動詞は「was」となります。

  • He was like …

これであなたは「その人(彼)」に生まれ変わりました。

Be動詞の用法については、「わける 1, Step 10」を参照。

Step 6「大声で助けを呼ぶ」に取り掛かります。

  • He was like
  • 彼は…と言っていた

これは本当にシンプルです。あなたはもうすでに「その人」。つまり、「彼」になったつもりで「大声で助けを呼んで」ください。

はい、ほとんどの人が知っている「助けを呼ぶ」表現です。

  • そう、「help me」です。

Step 7ここで詰めです。

まだ「大声で助けを呼ぶ」の「大声で」が残っているのです。もう一度言います。あなたはもう「彼」です。その瞬間の「彼」の緊迫した様子をまねて「help me」と言えば、聞き手に「大声で助けを呼んでいた」様子を伝えることができるのです。

Step 8あとはすべてを組み合わせるだけです。

それでは「その人、大声で助け呼んでてさ」をあなたならどう訳しますか?

正解

He was like, “Help me!”
その人、大声で助け呼んでてさ。
(彼は「助けて」と言っていた。)

HUTのおすすめ
まほうのことば1
#have#動詞
アルワハブ2
まほうのことば3
#no#yes
イエスノウ1
まほうのことば2
#say
セイ1
まほうのことば1
#have#動詞
アルワハブ1
HUTの選りすぐりのコンテンツや
最新情報をお届けします
1.
HUTのコンテンツの一部をメルマガ会員限定で
無料公開
2.
HUTウェビナーなど、イベント情報のお届け
3.
会員限定キャンペーンのお知らせ