「とりかえる」ってなに?
主語を変えると動詞が変わる
主語と動詞は密接な関係があります。主語を変えるとその文の動詞が変わり、動詞を変えると主語が変わる。例えばその文の動詞がわからず前に進めない場合、思い切って違う主語を設定してみましょう。そうすると、その主語があなたがすでに知っている動詞を導いてくれるのです。「日本語の文に主語が1つしかないじゃないか」。その通りです。しかし違う角度からその文を見てみると、見えなかった主語がじわっと現れてくるのです。
とりかえる4
あなたならどう訳す?

「日本では夏になると蚊がいっぱい出てくるんです」

Step 1まずは「みつける」です。

主語探しです。日本語の名詞部分が主語になる確率が高いので、この文の名詞を抜き出します。ご名答。「日本」と「蚊」が名詞です。主語がモノになったので、両方の主語を「何がどうなる」に当てはめます。

  • 何が = 日本 ⇨ Japan
  • どうなる = 出てくる

  • 何が = 蚊 ⇨ mosquito
  • どうなる = 出てくる

①の「日本が出てくる」という文は意味不明です。はい、②の「蚊が出てくる」を使いましょう。

Step 2今度は、「何がどうなる」に当てはめてみます。

  • 何が = 蚊 ⇨ mosquito
  • どうなる = 出てくる ⇨ 出る ⇨ でる ⇨ デる  ⇨ デル!?

Step 3 問題発生です。

「蚊」を主語にすると、「出る」を動詞にする必要があります。この動詞を知らないと前に進めません。

Step 4 仕切り直しです。主語を再設定します。

  • 【問題】
  • 「日本では夏になると蚊がいっぱい出てくるんです」

日本語の文中に、必ず主語があるわけではありません。この文は、客観的に「日本では夏になると蚊がいっぱい出てくる」という事実を伝えています。視点を変えてみると何か他の主語が見えてきます。

  • 「蚊が出てくる」ということは「出てくる蚊」を…「見ている」…?

そう、主観的にこの文を訳してみると、「ヒト」を主語にすることもできるのです。例えば、夏に日本を訪れる外国人に「日本では夏になると蚊がいっぱい出てくるんです」と伝えたいとします。その場合、主語を「あなた」にして、その外国人の視点からこのことを伝えてあげると、聞き手にとってわかりやすいだけでなく、親切に聞こえるのです。

「あなた」だけでなく、「わたしたち」などの他の人称代名詞を主語に設定することも可能です。文脈に合った主語を選びましょう。

それでは、「あなた」を主語にして訳してみます。

  • 「あなたは日本では夏になると蚊がいっぱい出てくるんです」

「あなたは出てくる」では意味不明です。主語はすでに決まっているので、「出てくる」という動詞を変えてみましょう。

  • 「あなたは日本では夏になると蚊がいっぱい出てくるんです」 ⇨ 「あなたは日本で夏になると蚊いっぱい○○○」 ⇨ この文の動詞は何になるでしょうか?

正解

みる

ここで「あなたは日本で夏になると蚊をいっぱいみる」という日本語の文ができあがりました。

Step 5 「誰がどうする」に当てはめてみます。

「あなた」というヒトが主語になったので、今度は「誰がどうする」に当てはめてみます。

  • 誰が = you
  • どうする = みる ⇨ 「みる」は英語で?

正解

see

「watch」は「〔対象が動いているものを意識を集中させて〕みる」、「look (at)」は「〔対象が動いていないものを意識を集中させて〕みる」、「see」は「〔対象が動いている、いないに関わらず、意識を集中させなくても〕みる・みえる」というニュアンスの違いがあります。そのため、この問題での「蚊をみる」には「see」を使います。

Step 6 目的語を決めます。

  • You see
  • あなたはみる

主語(わたしたち)と動詞(みる)が決まりました。次に、動詞の後ろに置いてあげる単語、つまり目的語を決めます。

ここで問題です。「あなたは日本で夏になると蚊をいっぱいみる」の目的語は何だと思いますか?

正解

蚊 ⇨ mosquito

Step 7 補足情報を付け加えます。

  • You see mosquitos
  • あなたは蚊を見る

問題では「蚊がいっぱい出てくる」と書かれているように、「いっぱい」を加える必要があります。

ここで問題です。「いっぱい」を加えるとどのような文になりますか?

正解

You see many mosquitos
あなたは多くの(いっぱいの)蚊を見る

そう、「蚊をいっぱい見る」ということは「いっぱいの蚊を見る」。つまり、「多くの蚊を見る」ということなのです。ここでの重要なポイントが、日本語の語順の通りに訳さないということです。

Step 8 さらに補足情報を付け加えます。

  • You see many mosquitos 
  • あなたは多くの(いっぱいの)蚊を見る

次に、「夏になると」という情報を加えなければなりません。感の良いあなたはもうお気付きかも。その通りです。「夏になると」は「夏に」でよいのです。そうすると「夏に」の「に」にあたる前置詞が必要です。

ここで問題です。季節を示す際に用いられる前置詞は、A〜Dのどれが正しいと思いますか?

  • A. under
  • B. behind
  • C. to
  • D. in

正解

in

「夏になると」を厳密に訳す場合、「when summer comes」や「when it gets summer」のようにすることもできます。

Step 9 あと少しです。

  • You see many mosquitos in summer
  • あなたは夏に多くの(いっぱいの)蚊を見る

「日本では」の「では」にあたる前置詞も設定する必要があります。

問題です。場所を示す際に用いられる前置詞は、A〜Dのどれが正しいと思いますか?

  • A. in
  • B. on
  • C. at
  • D. through

正解

in

「市町村・県・国」等のエリアを示す前置詞は「in」となります。また、エリアになっている場所ではなく、点(比較的小さい場所)として判断できる場所は「at」と「in」の両方を使用できます。

Step 10 ここで詰めです。

  • You see many mosquitos in summer in Japan
  • あなたは日本で夏に多くの(いっぱいの)蚊を見る

この文では、夏に日本を訪れる外国人に「日本では夏になると蚊がいっぱい出てくるんです」と伝えたいとします。

ここで問題です。この外国人の来日は、現在・過去・未来のどれでしょうか?

正解

未来

未来形の種類はいくつかありますが、この時点では「will」を使用します。

Step 11 あとはすべてを組み合わせるだけです。

それでは「日本では夏になると蚊がいっぱい出てくるんです」をあなたならどう訳しますか?文の時制を未来形にすることをお忘れなく。

正解

You will see many mosquitos in summer in Japan.
日本では夏になると蚊がいっぱい出てくるんです。
(あなたは日本で夏に多くの蚊を見ます。)

または

You will see a lot of mosquitos in summer in Japan.
日本では夏になると蚊がいっぱい出てくるんです。
(あなたは日本で夏に多くの蚊を見ます。)

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